出産・入院体験談

もう報告済みですが、結局私は4週間早く(36週と3日)お腹の中の双子達に対面することになりました。


日本では結構早い時期から『張り止め』の薬を処方されるらしいのですが、私の通っていた産婦人科では処方されませんでした。
妊娠が進んでくるに従って、散歩中に掃除中にお腹が張ることが頻回になり散歩にも行かなくなったりしましたんですが、受診の度にそう話しても「そうですか」くらいで済まされていました。
36週になると、家の中を少し歩くだけでお腹が張って本当に何も出来ずに横になっていることが多かったです。時には痛くて身動きが取れなくなることも。
36週と3日目の受診時、入院用の荷物も持っていったほうがいいのだろうかとも思いましたが、ここにくるまで何も対処してくれることが無かったから今回もそうだろうと思ったのと、家を出るときには荷物のことなんてすっかり忘れていたのとで、結局持たずに病院へ向かいました。
午後3時くらいに受診。
ジュウ君の想定体重が約3㎏で頭も大きめ(大体38週くらいの大きさ)ということで「もう手術しなくちゃいけませんね」と、主治医の先生。内診してみると、子宮口が2㎝開いていたそうです。
入院準備はあらかじめしてあったものの、直前に詰め込もうと思っていた化粧品などがあったので一度家へ戻りたかったけど、子宮口が開いてるからという理由で許可が下りず、そのまま手術の前処置に入りました。


どうしても日本の病院や看護師と比べてしまうのは良くないのかもしれませんが、前処置をすると説明があったのみで何をするのか、処置をする時にもこれから何をするのかの説明はないし、私は化粧をしていてコンタクトレンズもしていたんですが、その確認もなかったので、私から看護師に話して化粧を落し、レンズを外しました。
これじゃ素人さんだったら気付かずに化粧したまま、コンタクトしたままで手術に臨んでいるところ。


帝王切開術といえば腰椎麻酔。でも、全身麻酔での手術でした。
手術を終えた私は、いわゆる『不穏状態』に陥っていて、首を左右に激しく振り、悪寒で全身に力が入り「寒い寒い」を繰り返す。でも、そんな状態の自分がはっきりと認識する意識もあったりするんです。でも、コントロールできない状態。
手先足先、顔が冷たく、しきりに寒いと訴える私の顔をさすろうとする旦那さんに、「クロッケ ハジマ(そうしないで)!」。目を開けているのが辛いので目を閉じると「チャジマ(寝ちゃダメだよ)」と言ってくれるんですが、「アラー、アンジャ(分かってる、寝ないよ)!」。
自分が患者になって初めて実感する患者の心理。ヤッパリ家族に当たるんですね。旦那さんには悪いなぁとも思うんですが、どうにもこうにも口調がキツクなってしまって。。。
術後は当然『禁飲食』。持続的に補液はされているものの、口がとっても渇いて、ベタベタ気持ちが悪いんです。粘調度の高い唾液が出てくるので、朦朧としている意識の中、旦那さんに「チム(つば)」と言って取ってもらい、「ガーゼ」と言って口に当てていたぬれガーゼを換えてもらいました。
意識もハッキリしてきてからは、口の中をクチュクチュっとゆすぎたくなってきます。
看護師にうがいしても良いか聞いたところ、「しても良いけど、横になってるから出来ないんじゃ?」との返答。
えぇーーーー?!
私はショックでした。
日本ではこのような訴えがあれば、寝ながらでも口をゆすげるように水と道具を用意してきてくれて介助してくれるからです。私も総合病院に勤めていた頃はそうしていましたし、訴えがある前にこちらから声掛けしていましたし。
仕方なく私は、旦那さんに指示して、水の入ったコップと空のコップを用意してもらい、旦那さんに介助してもらって口をゆすぎました。


日本で看護師をしていた私はヤッパリどうしても比べてしまう。あまりにも「コレってどうゆうこと?それでいいの?」と思ってしまうことが多かったから。
私は持続点滴をしていましたが、夜中は点滴の滴下状況を一回も見に来ないし、「抗生剤の点滴が終わったらクランプして下さい」とか「この(メインの)点滴が終わったら呼んでください」とか言われちゃうし。点滴の内容の説明もヤッパリありませんでした。
点滴漏れして腕がチョット腫れて痛かったんですが何もしてくれなかったので、旦那さんに指示して暖めたり。。。
反対に「お?!コレはいいぞ!」というところもありました。
お尻に注射(筋肉注射)する時に、ペチペチッと叩いてすぐさま注射、隙を入れずにまたペチペチ。こうすると、いつ注射したのか分からないんです。ペチペチ叩いた痛みと注射の痛みが混ざるからかなぁ、とも思うんですが、注射の仕方や微妙な穿刺部位のズレで痛みを感じることのありました。
以前チラッと見た韓国映画の一場面に『ペチペチ→注射→ペチ』というのがあったんですが、こういう理由からだったんですね。


ところで、私は全身麻酔下で帝王切開術を受けたので、当然赤ちゃん達の生まれる瞬間を見られないわけです。
それには全身麻酔だと告げられた瞬間からガッカリ。術後、意識がハッキリしてからは「赤ちゃんは?早く会いたいよー」とシンミリ、涙もポロリ。
はれて御対面が叶ったのは、翌日の午後でした。
まだ床上安静で横を向いても良いとは言われていたものの、傷の痛みでとてもそれも出来なかったんですが、赤ちゃん見たさに横向きが出来ました。私はベッド上から届くはずもないけど手を伸ばしたりして。
早く抱っこしたかったけれど、初対面の時にはできるはずもなく、初抱っこは手術の翌々日でした。


食事は手術の翌日の夕食から始まりました。
初めは流動食。重湯とわかめスープ。次は3分粥にわかめスープ、おかず少し。その次は全粥にわかめスープ、おかず少し。4食目から普通のご飯におかず、わかめスープでした。・・・だったんですが、私の胃腸が1食ずつの食上げについていけず、飲み込んで少しすると胃がキリキリ。涙が出るほどの痛みでした。
それでも、食べなくちゃ点滴も取ることが出来ないし、旦那さんにお粥を買ってきてもらって泣き泣き食べました。そして、3日目くらいからは出されるものを食べられるようになりました。


韓国のすべての産婦人科にあるのかどうかは分かりませんが、私の入院した病院にはマッサージ担当の職員がいて、おっぱいマッサージとフェイシャルマッサージをしてくれました。
そしてこれはマッサージ担当さんではなく看護師さんがしてくれたんですが、足のマッサージ。片足ずつエアーバッグに入れて機械がエアーを入れたり抜いたりしてくれるもの。この足マッサージ、私は初体験だったんですがスゴクよかったです。妊娠後期になってくると足のむくみが凄くて、旦那さんが足マッサージ器を買おうか?って言ってくれたんですが、これなら買っても良かったかなぁと思うくらいでした。


床上安静が解除されたのは、手術翌日の午後でした。
昼過ぎに膀胱に入れられたカテーテルを抜いてもらってからは、トイレのたびに傷の痛みとの戦いでした。点滴棒を杖代わりににし、一歩進むのにも数秒かかり、初めの何回かは介助無しには下着の上げ下げも出来ないくらい。。。こんなにも痛いとは想像もつきませんでした。
ものすごく痛いのでトイレ以外はベッド上にいることが多く、離床がなかなか進みませんでした。看護師さんに「もっと運動してくださいね」と何度言われたことか。。。
ここでも患者の心理を実感しました。


退院は6日後。
2,040gで生まれてきたソンちゃんも何の問題もなく経過していたので(退院時の体重は2,100g)、3人一緒に退院となりました。


以上が私の帝王切開術と入院体験でした。
ここまでお付き合いいただいた方、お疲れ様でした&ありがとうございました。