第4話

随分長い間、休んでしまいました。そろそろ続きを書こうと思います。

旅行が終わって

旅行から帰った当日から、e-Mailでの表現の仕方がストレートになってきました。私はいつも「デニス(当時の彼の通称)のことは友人としてとっても大切だし、人として好きだ。私には日本に付き合っている人がいるし、気持ちには応えられない」と、返事をしていました。
でも、返ってくるのは「みのりにboyfriendがいるのはわかってる。返事は急がないから、ゆっくり考えてくれ」というフレーズ。
デニスの真っ直ぐで強い気持ちを何度となくぶつけられ、自分自身の気持ちが揺ぎ始め、苛立ちを感じるようになりました。

日本にいる彼

そんな中でも、毎週日曜日の電話は欠かさずに掛けていました。
しかし、早朝6時の電話。たまに少し寝坊してしまうこともあります。それが理由ではないのですが「みのりからいつ電話がかかってくるか分からないから、約束の時間になったら、コンビににも行けない」などと言われてしまうと、私の存在が重荷になっているのではないかという気持ちになってしまいます。
これだけではありませんが、私たちの間に少しだけ隙間が出来てきたのです。
お互いのことを気にしつつも、苛立ちを感じてしまったり、それまでのように弾んだ会話を毎回するようには出来なくなっていったのです。

悪女的・・・?

日本にいる彼とギクシャクし始めた頃から、彼とデニスを比べてしまうようになってしまいました。
日本の彼とこのまま続けていくとしたら・・・?
日本に帰国したら、彼の住む街かその近くの病院に勤務するか、更に看護または社会福祉に関する勉強を始める。そして、ゆくゆくは高校生からの夢だった訪問看護ステーションを設立したい。
デニスを選んだとしたら・・・?
デニスを選んだとしたら、お互いの気持ちとか日常の他愛のない会話とか、お互いに母国語でない英語を使って話すから、言葉を選ぶし、その分互いの気持ちを考えながら話すことが出来る。デニスはそれまでの会話の中に「もし私 家族の一員になったら(結婚したら)」と具体的に将来のことを話してくれる。いつでも気持ちをストレートに表現してくれる。
日本で自分自身が思い描いてきた将来の夢を現実化させていくか、国籍の違うデニスと一緒に生きていく・・・。
日本の彼は結婚の二文字をハッキリと私に投げかけてくれたことはない。彼的には将来について話していたのかもしれないが・・・。
デニスを選んだら、これから私の語学力も伸びるだろうし、これから先、第三外国語も習得しなければならない。自分の夢にしていたことは出来なくなるが、自分の成長のためには有効かもしれない。
・・・今、考えると、私は本当に自己中心的な物の考え方をしていたと思う。道徳的なことは・・・少しは考えたが、何が自分にとって有益か?2人のどちらが私にとって利益になるか?そんな風に考えてしまっていた。悪い女でした。

私の決断

2人の間で悩んでいくに連れ食欲もなくなり、クラスメイトにまでも心配される程になってしまいました。これまでのように日本の彼を選んでいれば、何も変わりなく学校生活を送れるというのに、私は、ヤッパリ欲張っていたんだと思います。
ある週末、いつものメンバーで韓国人が経営するカラオケのあるバーに行きました。久しぶりに皆で呑みに出て楽しかったというのと、それまでのモヤモヤした自分の気持ちが、その夜の私にお酒をすすめました。自分でもどれだけ呑んだか分からないくらい。「もう1軒、もう1軒」と本当に酔っ払いになってしましました。
決断したのはそんな私。・・・酔った勢いと言われても何も言えません。でも「もうこれ以上悩んでいたくない!!!」と思ったのです。そして選らんだのは、今現在近くにいるデニス。
その夜私は、ベロベロになりながら、デニスに介抱されながらも3軒バーを梯子したのでした。
翌日の二日酔いは、言うまでもありません。